12月21日にブログ開設しました。

大人も楽しめる本当の名作漫画 おすすめ5選

大人になってからお金を自由に使うことができるようになったのに,子どものころに比べて面白いと思う漫画がすくなくなっていないでしょうか?


それは,大人になるにつれて様々な経験をし,漫画の物語に新鮮さを感じにくくなっていること,また論理的になったことで”いわゆる”少年漫画的”ご都合主義に違和感を覚えるようになったことなどに起因していると考えられます。

そこで,この記事では完結済み漫画から大人でも面白いと感じる本当の名作漫画を選定しました。選定基準は上記の点を踏まえて,

  • 設定の斬新さ
  • 登場人物の行動の合理性
  • ストーリー展開のおもしろさ

の3点で評価しています。


全部完結済みの漫画となっているので,是非気になる漫画を一気読みしてみてください!

風の谷のナウシカ(漫画版)

風の谷のナウシカ 
5.0

著者

宮崎駿

巻数

全7巻

ジャンル

ファンタジー

設定の斬新さ 5.0
登場人物の行動の合理性 4.5
ストーリー展開のおもしろさ 5.0
総合 4.8

スタジオジブリの名作アニメ映画「風の谷のナウシカ」に漫画版が存在することをご存じでしょうか?実は映画版「風の谷のナウシカ」は漫画版全7巻のうち2巻までの内容であり,漫画版ではその後のストーリーがしっかりと描かれています。

むしろ,そこからのストーリーが「風の谷のナウシカ」で一番おもしろいところであると思います。


たとえば,トルメキア王国と土鬼帝国との戦争,腐海と蟲の謎,巨神兵による週末戦争,ナウシカ達の世界の成り立ちなど,徐々に物語の核心に迫っていきます。


巨匠宮崎駿監督が描いているので,重厚でワクワクするストーリー・魅力的なキャラクター・絵の上手さなど,漫画にとって重要なすべての要素が詰まっています(一方で,やや絵コンテ感があり,漫画的ではないという意見もありますが,私は全く気になりませんでした)。


ジブリ映画が好きな人であれば,必ず満足いただける漫画です。是非お読みください。

寄生獣

寄生獣
4.3

著者

岩明均

巻数

全10巻

ジャンル

SF

設定の斬新さ 3.5
登場人物の行動の合理性 4.5
ストーリー展開のおもしろさ 4.0
総合 4.0


「突如地球に飛来した寄生”生物”によって,一部の人間が寄生生物によって脳を乗っ取られて多の人間を食い殺し始める。主人公の泉新一も寄生されるものの脳の乗っ取りは防ぐことができ,寄生生物と新一の奇妙な共存関係が始まる」というあらすじです。


ここまでは,「まああるよね」って感じの設定に思われたかもしれませんが,筆者の岩明均さんの本領は「こうした設定になったらそれぞれの登場人物がどう動くか?」を突き詰めて考えられているところであり,登場人物の行動が非常に合理的で,自然な展開のなか物語が進んで行きます。


人間と寄生生物との中間の存在になった高校生の悩みや成長,他の寄生生物との戦いだけでなく,最終的に人間の在り方についても疑問を投げかける深い作品となっています。


同作は第14回文化庁メディア芸術祭漫画大賞,第16回手塚治虫文化マンガ大賞を受賞しています。


この「寄生獣」は3巻まで『kindle unlimited』でも読むことが出来ます。『kindle unlimited』は30日の無料お試し体験もできますので,是非これを機に登録されてはいかがでしょうか。


また,同作者は歴史物の漫画にも定評があり,「ヘウレーカ(全1巻)」

ヘウレーカ
4.1

紀元前二百余年、天才数学者が超大国・ローマ軍を震撼させた巨大軍事プロジェクトとは!? 古代シチリアを舞台に、一大歴史ロマンが幕あける──!

著者

岩明均

巻数

全1巻

ジャンル

歴史・戦記

「ヒストリエ(既刊11巻)」も自信をもってオススメできる作品となってます。

ヒストリエ
4.5

舞台は紀元前。奴隷の身分にありながら、豊かな教養と観察眼、判断力、そしてそれらを駆使して行動を起こす度胸を兼ね備えた、不思議な青年・エウメネスがいた。あの偉大なる哲学者・アリストテレスの逃亡を助けたりしながら、彼が目指していたのは、「故郷」と呼ぶカルディアの街……。のちにアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作が登場!

著者

岩明均

巻数

11巻~

ジャンル

歴史・軍記

ガンスリンガーガール

ガンスリンガーガール
4.0

著者

相田裕

巻数

全15巻

ジャンル

SF・アクション

設定の斬新さ 4.0
登場人物の行動の合理性 4.0
ストーリー展開のおもしろさ 4.0
総合 4.0

イタリアを舞台に,瀕死の少女達に機械の身体を与え,その少女たちに反政府勢力「五共和国派」を排除させる諜報機関である「社会福祉公社」を軸としたアクション漫画。ジャンルはアクションとしていますが,物語の中心はテロ組織と戦うため銃を手に取る少女達と,その担当官である大人たちが織りなす群像劇となっています。


政治を絡めた舞台設定はよく練られており,それぞれの登場人物の目的も様々ななかでストーリーが展開していくので,流し読みでは全体像を把握するのが少し難しくなっております。

物語中盤はやや中だるみしている感はあるものの,全体的にもの悲しい雰囲気のなかでストーリーは進んでいくものの,最後の感動のフィナーレに向かうストーリー展開は秀逸です。


キャラクターも魅力的です。とくに,社会福祉公社で働いている女の子たちは可愛いだけでなく,悲しい境遇のなかでそれぞれの希望を見いだしていきます。


こちらも第16回文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞作品であり,よくある女の子に武器を持たせて戦わせる漫画と一線を画しています。

皇国の守護者

皇国の守護者
4.3

著者

佐藤大輔(原著)伊藤悠(著)

巻数

全5巻

ジャンル

戦記

設定の斬新さ 4.5
登場人物の行動の合理性 4.5

ストーリー展開のおもしろさ 4.0
総合 4.3


日本を模した架空国家である「皇国」の最北端・北領(北海道をイメージしてください)に,超大国「帝国」の舞台が押し寄せます。圧倒的な帝国の武力の前になすすべ無く敗走する皇国軍ですが,主人公である兵站将校・新城直衛中尉は部隊を率いて撤退戦を展開するという内容です。


皇国の主力部隊が北領から撤退するまでの時間を稼ぐために,帝国軍の侵攻を食い止めながら自らの部隊もひたすら撤退戦を展開していくという内容となっています。その点,一般的な戦記物では,主人公が部隊を率いて敵を打ち破るという内容が主ですが,この『皇国の守護者』はそうした点ではかなり斬新な設定となっています。


戦記物として戦略・戦術の考察がよく練られており,ミリタリーファンにとっても納得の内容になっていますし,主人公を中心とした心情描写も良くできています。


惜しむらくは,原作小説ではその後の物語もあるのですが,”諸事情”により打ち切りのような形で連載終了しており,現在絶版となっているため,基本的には中古でしか手に入れることができたいことです(kindle版もありません)。気になる方は早めにご購入されることをお勧めいたします。


ただ,打ち切りといっても漫画版ラストも綺麗に物語をまとめているため,読後のモヤモヤは残らないのでその点はご安心ください。

EDEN〜It’s an Endless World!〜

EDEN
4

著者

遠藤浩輝

巻数

全18巻

ジャンル

SF

設定の斬新さ 3.5
登場人物の行動の合理性 4.5
ストーリー展開のおもしろさ 4.0
総合 4.0

正体不明の身体が硬質化するウイルスが蔓延している近未来の世界において,麻薬カルテルのボスを父親に持つ少年エリヤが国やマフィアの陰謀に翻弄されながらも戦い・成長していくというあらすじ。

2100年代の近未来を舞台としており,AIやサイボーグなどのSF要素をふんだんに盛り込みながら,貧富格差や人種差別,宗教,民族間の紛争,売春,麻薬中毒などなど様々な社会問題を絡めた複雑ながらも緻密な舞台設定となっています。

とにかく複雑なので,実際に読んでみないと分かりませんが,1巻と2巻以降のテイストは異なるため,とりあえず2~3巻まで読んでいただくことをオススメします。

アニメ版の攻殻機動隊シリーズが好きな方ならおそらくこちらもハマるはずです。

最新情報をチェックしよう!

漫画レビューの最新記事8件